活動実績(論文等)

歯科の特性に着目した愛知県歯科医師会主導での新しい肝炎対策とその成果

井上 貴子、加藤 正美、浅田 一史、根来 武史、竹内 克豊、河合 正、椙村 豊彦、是永 匡紹、内堀 典保

 名古屋で実施した調査から、歯科医院の97.0%では肝炎検査を実施していない一方で、78.3%では問診を通じて肝炎患者さんの通院状況を把握していることがわかりました。そこで、愛知県歯科医師会は2018 年より、歯科医師が肝炎患者さんに適切に対応できるよう、新しい活動を開始しました。その一環として、歯科医師会主催で肝炎に関する講習会を開催しました。この講習会では、肝臓専門医に加えて、肝炎を指導できる歯科医師も講師を務め、受講した歯科医師と最新情報を共有しました。また、講習会後には意見交換の場が設けられ、参加者が知識をさらに深める機会となりました。
 2020年には、講習会の効果を検証するため、愛知県歯科医師会員3,902名を対象としたアンケートが実施されました(回答率23.1%)。この調査では、過去2年間に講習会を受講した212名と未受講の517名を比較しました。その結果、講習会を受講した歯科医師は、継続参加への意欲を示し(図1)、肝炎患者さんを肝臓専門医や内科医に紹介し、機会があれば紹介を検討する意識が高まった(図2)ことが確認されました。以上から、歯科医師会主催での肝炎に関する講習会は、歯科医師が肝炎患者さんに適切に対応するために効果的であることが示されました。
 現在、国民の84.4%が「かかりつけ歯科医」を持ち、その割合は「かかりつけ医」の72.8%を上回っています(日本歯科総合研究機構、国民に対する「かかりつけの歯科医」に関する調査報告書、2015年)。歯科医師が国民の健康管理に果たす役割は非常に大きく、肝炎に関する知識の向上を目指すことは重要な取り組みです。この活動を通じて、歯科領域に特化したモデルを確立し、他地域への展開を進めることで、公衆衛生のさらなる向上に寄与していきます。 アンケート集計図

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