活動実績(論文等)

歯科医師のB型肝炎ワクチン接種状況にみられる問題点

井上 貴子、加治屋 幹人、加藤 正美、本山 智得、山﨑 健次、内堀 典保、是永 匡紹

 厚生労働省は2019年、歯科医院での感染対策を強化するため、歯科医師などの医療従事者にB型肝炎(HB)ワクチンの接種を推奨する方針を示しました。B型肝炎は血液などの体液を通じて感染する病気で、歯科治療では血液に触れる機会が多いため、感染予防がとても重要です。
 この方針を受けて、愛知県と広島県の歯科医師会は厚生労働省研究班と協力し、歯科医師のワクチン接種状況を調査しました。愛知県では2020年に902人、広島県では2021年と2022年に合計131人の歯科医師から回答を得ました。HBワクチンは通常3回の接種が必要です。適切に3回HBワクチンを接種していた歯科医師は全体の約21%にとどまり、約35%は未接種、約43%が2回接種している状況でした(図)。
 2014年に東京都で行われた調査(小林謙一郎 日本環境感染学会誌, 2015, 30:348-353)では、約68%の歯科医師がHBワクチンを接種していると報告されていますが、今回の調査では適切に接種している歯科医師の割合はさらに少ないことが分かりました。このような状況から、歯科医師に正しいHBワクチン接種の知識を広めることが、感染予防のためにとても大切だと考えられます。今後も歯科医療現場での安全を守るため、HBワクチン接種の重要性についての理解を広めていきます。 愛知県と広島県における歯科医師のHBワクチン接種状況図

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