肝炎ウイルス陽性者対策が急がれる非肝臓専門科は?
廣田 健一、井上 貴子、小川 浩司、荒生 祥尚、遠藤 美月、池上 正、戸島 洋貴、末次 淳、柿崎 暁、瀬戸山 博子、榎本 大、是永 匡紹
肝炎ウイルスの検査は、肝臓の専門科だけでなく、その他の科でも広く行われています。2014年には厚生労働省から、検査結果を受けた人にきちんと説明するよう通知が出され、2021年には地域の状況に応じた対策を進めるよう方針が改められました。
この研究では、肝炎対策が特に必要な診療科を明らかにするため、全国の肝疾患診療連携拠点病院8施設で、2016年~2020年のHBs抗原(B型肝炎の検査)・HCV抗体(C型肝炎の検査)の検査数と陽性率を集計し、肝臓内科とそれ以外(非専門科)に分けて分析しました。さらに、非専門科の中で検査数が多かった診療科トップ3の陽性率も調べました。
HBs抗原は約50万件で、非専門科が84.2%を占めており、陽性率は2016年の1.45%から2020年には1.23%に低下しています。検査数は眼科、産婦人科、整形外科で多く、陽性率が高かったのは整形外科、消化管外科、眼科でした(表)。HCV抗体は約47万件で、非専門科が89.9%を占めており、陽性率は2016年の2.58%から2020年には2.12%に低下しています。検査数は眼科、産婦人科、整形外科で多く、陽性率が高かったのは消化管外科、整形外科、眼科でした(表)。
陽性率は減少傾向ですが、眼科と整形外科では検査数が多く、陽性率も高いため、肝炎対策が急がれます。眼科ではすでに、日本眼科医会が厚労省の研究班と連携し、スタッフ育成の取り組みが進んでいます。今後は整形外科でも、同様の対応が期待されます。
